公益財団法人環日本海経済研究所(ERINA/エリナ)
北東アジアウォッチ
ERINAのメルマガ♦北東アジアウォッチ No.407 (2021年5月21日発行)

♦INDEX♦

▍NEAヘッドライン

▪ロシア極東情報
▪中国東北情報
▪モンゴル情報
▪対岸ビジネス情報

▍エリナ・レター

▍ERINAインフォメーション

▪7月10日(土)に「国際人材フェア・にいがた2021」を開催します。留学生の採用を考える県内企業の出展申込み受け付け中です。
▪新潟県内高校・中学を対象に「ERINA出前授業」の申し込みを受け付けています。
『ERINA北東アジア研究叢書10』を発刊しました。
英文学術誌『The Northeast Asian Economic Review』編集委員会では投稿論文を募集しています。
『ERINA REPORT (PLUS)』編集委員会では投稿をお待ちしています。
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 今年は梅雨入りが早いようです。適度な雨となってくれることを祈ります。
 海外に行くことは難しい状況が続いていますが、産品の海外での販路拡大に向けた取り組みや、現地企業との提携により農産品の輸出拡大をめざす動きなどが伝えられています。(編集長)


▍NEAヘッドライン


▏ロシア極東情報


♦ サハリン州を水素電車が走る ♦

 「トランスマシホールディング」社(主要株主:アンドレイ・ボカレフ氏、イスカンデル・マフムドフ氏)がロシアで初めて水素で走る列車をつくり、サハリン州に供給する。試算では、水素電車7本の費用総額は30億ルーブルあまりとなる。「トランスマシホールディング」社(TMH)とロスアトム、サハリン州政府は、サハリンで水素電池の旅客列車を走らせることにした。
 Telegramチャンネル「Energetic insight」で行われたロシア鉄道の発表によると、TMHは2024年までにサハリンに水素電車7本(総額30億ルーブル以上)を納品する。これらの列車の運賃は1キロメートルあたり1.8~27.30ルーブルになる(RBCは、このプロジェクト参加者に近い情報筋にこのことの信ぴょう性を確認した)。
 TMHは4月23日、サハリン州内での運行を目的とし、燃料電池電車用の充電インフラを整備するための合弁企業を設立することでロスアトムの子会社「Rusatom Overseas」と合意したと、発表。「両者は、運輸部門で利用できるように外国の最先端の水素エネルギー技術を現地化し、水素販売を確保・整備をしていく目標を掲げている」とTMHの広報資料には記されている。「これはサハリン州の重要なパイロットプロジェクトであり、ロシア鉄道、国営ロスアトム、トランスマシホールディング、サハリン州政府によって徹底検討された。我々はその成功に向けて精一杯注力する。ロシアの他の地域も、水素燃料交通機関の将来性を大いに感じている」と、Rusatom Overseas社のエブゲニー・パケルマノフ社長は表明した(広報資料より)。
 ロシア鉄道の発表によると、TMHは水素電車は2両編成が5本、3両編成が2本提供される。2両編成1本の価格は4億500万ルーブル、3両編成は4億9200万ルーブルと見積もられている。
 ロシア鉄道はこれらの列車をリースしインフラを整備する。一方、ロスアトムはサハリン州政府が提供する用地に水素工場を作る。投資額は、ロシア鉄道が2億6千万ルーブル、ロスアトムが920万ユーロ(約8億3300万ルーブル)と見積もられている。(RBC 4月23日)

♦ ロスアトム子会社がサハリンで水素を製造 ♦

 「Rusatom Overseas」社(ロスアトム系列、国外にロシアの原子力技術を提供)とフランスの産業ガスメーカー、エア・リキード社(Air Liquide S.A.)はサハリンで年間生産量3~10万トンの水素工場の建設を計画している。このために、最新式の浮体式原子力発電所(設計番号20870、原子炉RITM-200使用)が設置される可能性がある。
 専門家の試算によると、このプロジェクトは約2千億ルーブルを要する。ロシアエネルギー省は産業育成のために早くも、サハリンに優遇税制が付与される「水素バレー」の形成を提言した。
 サハリンで作られる水素は日本に輸出される可能性がある。2019年には「Rusatom Overseas」社が海路による水素の対日輸出のフィジビリティ・スタディーを行うことを発表している。(KONTINGENT 4月23日)

♦ ロ極東と北極圏で印ロの共同投資が準備されている ♦

 アレクセイ・チェクンコフ極東・北極圏開発大臣とインドのD.B.ヴェンカテシ・ヴァルマ(D. B. Venkatesh Varma)駐ロシア大使との実務会談で、ロシア極東と北極圏の投資協力の拡大プログラムについて話し合われた。
 会談出席者らは、2020年に極東連邦管区の対印貿易額が5%以上拡大し7億6400万ドルを超えたことを指摘。ロシア連邦の北極圏地域とインドの貿易も12.6%拡大し、8億ドルに達した。実現した共同経済プロジェクトのうち、沿海地方のダイヤモンド産業の2件が言及された。ウラジオストクでは、自由港の入居企業であるKGK GroupとM.Sureshウラジオストク(M.Suresh)によってカット・研磨工場が建設された。
 ロ印両者は他の分野でのロシア極東と北極圏のポテンシャルの大きさについても触れた。両国は、特に極東で産出されるコークス用炭の採掘と石炭製品の輸出を拡大するための投資プロジェクトについて協議を続けている。物流(北極海航路の活用など)での協力、造船、港湾インフラ整備、建設、ヘルスケア、クリーンエネルギー、観光業での協力も話し合われた。チェクンコフ大臣によれば、ル―スキー島に創設される先端科学技術センターが、新たな印ロ科学技術協力の場となりうる。
 ヴェンカテシ・ヴァルマ大使は、教育分野での協力の拡大の将来性に特に言及した。インドは毎年、約30万人の大学生外国留学に送り出しているが、ロシアに来るのは4~6千人たらずであり、主に医療関係の留学だ。大使によれば、若者に人気のあるIT、国際法などの分野の教育プログラムがロシア極東にできれば、学生の流入は最大2万5千人に拡大しうる。
 会談では、物流の拡大を目的としたウラジオストクとチェンナイ港の航路の整備の見通しも検討された。双方は、9月にウラジオストクで開催される第6回東方経済フォーラム(EEF)へのインド代表団の出席も協議した。EEFでは、極東・北極圏開発省と国立インド変革委員会(NITI)、極東・北極圏開発公社が共同で策定中の、2020~2025年ロシア連邦極東地域における貿易経済・投資分野での印ロ協力プログラムが承認される見通しである。(ロシースカヤ・ガゼータ 4月26日)

♦ チュコトで新たな浮体式原発計画 ♦

 プーチン大統領は、カザフスタンのKAZ Minerals社が所有するチュコト自治管区のバイムスコエ銅金鉱山への電力供給について、ロスアトムのプロジェクトを承認した。この電力供給プロジェクトの費用は1690億ルーブルになる。
 この件について、ロシアのメディア「RBC」が、ロスアトムのセルゲイ・キリエンコ監査役会会長から大統領への書簡を引用して報じている。書簡では、対案のノヴァテクの浮体式LNG発電所よりもロスアトムの案が優れている点が説明されている。大統領はこの手紙に「同意」の決済を下した。
 2018年にKAZ Mineralsが獲得したバイムスコエ銅金鉱山は、銅950万トン、金1650万オンスを埋蔵している。同社は採鉱選鉱コンビナートの建設に5700億ルーブルを投入する方針を固めていたが、ロシア側による電力供給が条件だった。新しくできるコンビナートは当初、2024年の稼働が予定されていたが、カザフスタン側が2027年に延期し、フル稼働への移行は2028年とされた。バイムスキー採鉱選鉱コンビナートへの電力供給には、年間最大出力が350メガワットの新たな電源が必要だ。
 ロスアトムのプロジェクトが承認されるまでに、浮体式LNG発電所を使うノヴァテクの電力供給計画が合意済みだった。ところが、国はこの決定を見直し、ロスアトムの案が有力となった。
 キリエンコ氏によれば、LNG発電所の運転開始が2027年に延びたことで、ロスアトムの案を検討することが可能となったという。これは、最新式の4基の浮体式電源を建設するという案であり、ロスアトムは期限に間に合わせるために、建設契約の締結を待たず、その設計を開始する。
 「このプロジェクトは、ロシア経済にとって有意義な社会経済効果があり、提案されたような小型浮体式原発を宣伝し、世界の電力市場のシェアを取っていくために戦略的に重要である」とキリエンコ氏は指摘している。
 (チュコト自治管区ペベクの「ロモノソフ」浮体式原発を例として)浮体式原発を使う技術の完成度の高さから、ロスアトムの提案は信頼性が高いと専門家は指摘する。ロシアの内閣はバイムスキー採鉱選鉱コンビナートの電力供給案に関する最終判断を近々に行う。
 バイムスキー採鉱選鉱コンビナート建設プロジェクトは「2025年までの極東社会経済発展戦略」と、「2030年までのチュコト自治管区社会経済発展戦略」に組み込まれている。(EastRussia 4月30日)
 
♦ 在ロ米国大使館は領事部業務を縮小 ♦

 4月30日、在ロシア米国大使館は、外国人の雇用禁止を受けて、領事部の人員を75%削減する、と公式ウェブサイトで発表した。「ロシア政府の行為によって領事部の人員を削減せざるを得なくなったことは、非常に残念だ。米国民にはできる限りたくさんのサービスを提供するよう努力する」とウェブサイトには記されている。
 5月12日から領事部の業務が縮小される。特に、外交目的でないビザ申請書類の審査が中断される。ウェブサイトによると、「在モスクワ米国大使館は5月12日より、領事サービスを量的に縮小し、米国民への緊急対応と非常に限られた数の移民ビザのみを取り扱う。この業務縮小は、アメリカの在ロ公館に外国人の雇用を禁じる旨のロシア政府の4月23日付の通達を受けたものだ」。
 米国大使館は、モスクワ以外でのスタッフの活動が制限されるため、ロシア在留邦人への緊急対応について、迅速に行えない可能性があるとしている。
 さらに、ビザの有効期限が迫っているロシア滞在中のアメリカ人は、パンデミックに配慮し外国人をロシアから追放しないという大統領令が失効する6月15までに、ロシアを出るよう要請されている。(タス通信 4月30日)

 仏トタルがノヴァテクのLNGターミナルの株を取得 ♦

 ロシアの独立系天然ガス生産・販売会社ノヴァテクは、仏石油メジャーのトタルによる「アルクチチェスカヤ・ペレヴァルカ」社(カムチャツカ地方とムルマンスク州で建設中のLNG(液化天然ガス)積替基地の事業主体)の株の10%の取得について、合意書に署名した。
 この取引は、トタルがこれまでの経費をノヴァテクに補償するというもの。カムチャツカの積替基地におけるLNG1の年間貨物処理能力は2千万トンだが、将来的には年間4千万トンに拡大する。積替基地には浮体式LNG貯蔵施設(容量36万立方メートル)と2カ所の積替えポイントが含まれている。ノヴァテクは、これによって、ヤマル半島で生産したLNGをアジア太平洋地域へ輸送する際のコストを削減しようとしている。
 カムチャツカの施設建設費は1080億ルーブルとみられる。このうち、700億ルーブルはノヴァテクが負担する浮体式LNG貯蔵施設と沿岸インフラ施設の建設費、380億は連邦が負担する浚渫工事と船舶用運河工事の費用である。
 暫定情報によると、ノヴァテクは、さらに3社をターミナル建設プロジェクトに引き入れようとしている。この結果、ノヴァテクの保有シェアは60%になる。これに向けて、ノヴァテクは「アークティックLNG2」の主要株主ら(中国のCNPCとCNOOC(中国海洋石油集団有限公司)、日本の三井物産とJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)のコンソーシアム)との交渉を進めている。天然ガス産出プロジェクトの株主各社が10%ずつ株を取得しすることで、その積替えからも収入を得ることができるようになる。さらに、日本の国際協力銀行(JBIC)が積替基地に資金提供する可能性についても検討中である。このことについては、2019年にノヴァテク側から発表があった。JBICの融資総額は2つの積替基地への民間投資の30~40%を占めるという。(EastRussia 5月4日)

♦ 輸入ビールの売り上げが1年で30%拡大 ♦

 ロシアの商店での輸入ビールの売上が1年で30%拡大した。外国ブランドのビールの需要の急拡大は、パンデミックによる巣ごもり需要だという。
 「RBC」は、調査会社NielsenIQの小売店舗監査データに基づいて、国産ブランドの売上が3%縮小した一方、国内ライセンス生産の外国ブランドが1.5%伸びた、と報じている。平均して2倍の値段の輸入ビールの需要も伸びている。輸入ビールの平均価格は約180ルーブル、ライセンス生産のビールは約110ルーブル、ロシアブランドのビールは90ルーブル以下だ。
 税関も昨年のビールの輸入の拡大を記録した。通関データによるとロシアは昨年のビールの輸入量は4820万デカリットル(4億8200万リットル)であり、前年を21%上回った。ただし、今年第1四半期にビール輸入は急激に(46%)落ち込み、530万デカリットル(5300万リットル)になった。
 昨年、ビールの輸入元のトップはドイツ、2位はメキシコ、3位がチェコ、さらにリトアニア、ベルギーと続く。専門家によれば、2020年の輸入ビールの需要拡大は、パンデミックによる外出自粛によるものだという。さらに、外国メーカーの価格政策もビール需要拡大の一端を担っている。欧州の供給元が現地のロックダウンを理由に値下げをしたのだ。(EastRussia 5月5日)

♦ 駐ロ日本国大使「ウラジオストクのホテルオークラは今年下半期に開業」 ♦

 ロシア初の日本のホテルが今年下半期にウラジオストクで開業すると、上月豊久・駐ロシア日本国特命全権大使が発言した。「ウラジオストク市のホテルオークラのプロジェクトは2020年の都市環境整備部門における両国関係の進展の一例である。昨年、日本でもっとも有名なホテルチェーンの一つを経営するホテルオークラが、ロシア初の日本のホテルとなる『ホテルオークラウラジオストク』の開業に尽力した。同社は今年下半期のホテルの開業に向けて準備をしている」と上月大使はインターファクスのインタビューで述べた。
 大使は、ホテルオークラの洗練されたサービスによって、ウラジオストクは「市民のみならず、この国際都市を訪れるビジネスマンや観光客にとって、より一層快適でリーズナブルなものになる」と話している。
 「ウラジオストクは、東京から飛行機で2時間半ほどで行ける『最も近い欧州都市』として日本人を惹きつけている。よって、ホテルオークラウラジオストクの開業は、日本人にとってこの都市をより一層魅力的なものにするに違いない」と大使は重ねて述べた。(インターファクス 5月8日)

▏中国東北情報


♦ エレンホト口岸、中欧班列631本が出入国 ♦

 中国とモンゴルの間の最大の陸路口岸であるエレンホトを通過して出入国する中欧班列は、4月6日までで631本となった。今年になって、エレンホト口岸を通過して運行する中欧班列の数は昨年同期の1カ月早く、600本を突破した。 エレンホトは中国の北部にあり、「一帯一路」と「中モロ経済回廊」における重要なハブである。また、中欧班列が通る唯一の出入国口岸であり、中国の国内貨物をモンゴルとロシアに輸出する重要なルートにもなっている。
 エレンホト市億海貨物輸送代理有限公司の劉総成社長によれば、「中欧班列の貨物は、時間がより正確で、安全性が高く、通関が早いことに加え、価格上の優位性もあることから、多くの輸出企業がこの国際輸送方式を選ぶようになっている」という。
 中欧班列のルートが運行されて以来、既にルート数は42本に増えた。輸入に関して、以前からあった板材、パルプ、建築材料などだけでなく、白砂糖、ひまわりの種、ひまわり油、亜麻の種などの農産物・副産物の輸入貨物が増えた。輸出貨物としては、織物製品、日用品、家電製品などに加えて電気・機械設備、小型乗用車、組み立て自動車部品一式、太陽光発電などの高付加価値商品の扱いが増加した。(内モンゴル日報 4月22日)

♦ 大連、湾里総合保税区と大窯湾総合保税区が共同検査に合格 遼寧自由貿易試験区大連エリアが「ダブル総合保税区時代」へ ♦

 大連の湾里総合保税区(A区、B区)と大窯湾総合保税区は多くの共同検査に合格し、遼寧自由貿易試験区大連エリアは本格的に「ダブル総合保税区時代」を迎えた。大連の開放性が高まったことで、この地域に北東アジアの国際海運センター、国際物流センター、国際貿易センターができる機会が生み出された。
 共同検査グループは、2つの総合保税区体制と運営状況に関して聞き取り調査とインフラ・管理・監督施設の現地検査を実施した。その結果、2つの総合保税区の合格が全会一致で決定され、その結果が税関総署に報告された。
 遼寧省と大連市の関係部署は、この2つの総合保税区を地域において影響力と競争力をもつ加工製造センター、研究開発・設計センター、物流配送センター、検査・保守センター、販売サービスセンターとなるように、それぞれの特色を生かしつつ、相乗効果により発展させていくという。さらに、大連の開放性を最大限に高め、ビジネスと管理体制の革新を進め、貿易を円滑化し、国内外の「双循環(国内大循環を主体として、国内外の双循環が互いに促進する経済の新発展モデルを目指す目標)」の重要ハブとして、北東アジアの新たな協力の拠点となるよう促進すると述べた。(遼寧日報4月27日)

♦ 中韓国際協力示範区(長春)で平安電能グループによる新材料スマート製造国際協力産業園が工事開始 ♦

 4月30日、中韓国際協力示範区で平安電能による新材料スマート製造国際協力産業園の工事が始まった。この産業園は、総投資額は70億元、敷地面積は92万平方メートルであり、ハイエンドの航空チタン材料、ハイエンドのセラミックファイバーおよび複合材料、大・中工場用のドローンなどの新材料、スマート製造とハイエンド設備プロジェクトなどをカバーする。そのうち、最初に工事が開始されたのが、航空チタン材料プロジェクトであり、工場は完工後には国内最大、世界トップクラスのハイエンドのチタン材生産拠点となるだろう。
 平安電能グループは中韓(長春)国際協力示範区で、国家レベルのスーパースマートコンピュータセンターを建設したという。2022年末前までに、中国国内で最初の独立制御可能な人工知能スーパーコンピュータのシステムを完成させ、このシステムによるスマート機械学習、推論処理能力は世界をトップレベルになる見込みだ。(吉林日報 4月30日)

♦ 内モンゴル自治区、石炭発電需給安定でエネルギー供給保証に効果 ♦

 今年から、内モンゴル自治区はエネルギー製品の供給を重視し、発電の安全性と基準に則った石炭生産を進め、中国国内への石炭と電力の供給において大きな役割を果たした。その結果、石炭発電の生産が着実に増加し、市場の需給バランスに安定ををもたらした。
 今年の第1四半期において、内モンゴル自治区全体の一定規模以上の工業企業が生産した原料炭は合計2.5億トンとなり、前年同期を12.7%、2019年第1四半期を2.5%上回った。一定規模以上の工業企業の発電量は前年同期比9.6%増1429億kWhで、となった。
 同時に、内モンゴル自治区は風力と太陽光の優位性を活用した発電も推進している。第1四半期、内モンゴル自治区全体の一定規模以上の工業企業にによる新エネルギーの発電量は265億キロワットアワーとなった。これは同地域の発電量全体の18.5%を占め、前年同期のシェアよりも3.0%ポイント大きかった。新エネルギー発電量は前年同期比30.7%増であり、全発電量の増加率よりも4.8ポイント高かった。風力発電は前年同期に比べて35.7%増加した。(内モンゴル日報 5月11日)

♦ 瀋陽・撫順示範区で「本部」集積地を作る ♦

 2021年の「五一連休(5月1日の労働節前後の連休)」前日、瀋陽・撫順示範区(以下、瀋撫示範区)で「紅色江西」ビルの定礎式が行われた。これは、遼寧カン*(訳注:「カン」とは江西省の略称)商本部発展有限会社の建設投資案件であり、総額2.5億元が投資される。2022年7月に供用が開始される予定であり、江西省籍の約300の企業がここに入居する。同社のト涛**・取締役会長によれば、ビル完成後、遼寧に進出している約20万人近くの江西省出身者の「ホーム」ができるという。
 多くの商工会議所や企業が遼寧省や東北地域の瀋撫示範区に進出の「ホーム」を作ろうとしている。瀋撫示範区投資促進局の担当者によれば、現在、示範区で予定されている23の「本部プロジェクト」のうち、11件が着工し、8件が交渉中だ。示範区における「本部集積による経済効果」がすでに表れているという。さらに、担当者は、「これらのプロジェクトのうち、中国南部の省による投資が6割を占め、『南資北上(中国南部の資本が東北地域に投資すること)』の傾向が強まっている」と話している。
 本部の集積は、地域経済の発展に乗数効果をもたらす。近年、瀋撫示範区で多くの本部拠点プロジェクトが締結され、福建・広東・浙江・重慶・湖北など多数の商工会議所本部が建設された。瀋撫示範区は本部拠点プロジェクトへの支援を継続し、オフィス用物件・高級管理職へのインセンティブ政策・行政サービスの支援、資金援助や補助金、政策サポートを行っている。
 瀋撫示範区管理委員会の関係者によれば、本部集積による経済の成長は瀋撫示範区の発展・拡大の有効な手段であり、全国各地の投資者・起業者により良いプラットフォームとサービスを提供することになるという。(遼寧日報 5月9日)
*遼寧カン:カン=章(たつへん)+攵+工+貝
**ト涛:ト=さんずい+余 

▏モンゴル情報


♦ モンゴルの鉱業で働く外国人就労者は1600人 ♦

 今年第1四半期末現在、就労契約に基づき、あるいは本人の意志でモンゴルで雇用されている外国人は89カ国4400人にのぼる。
 国内の外国人就労者数は、昨年同期から118人(2.7%)増え、2020年第4四半期から394人(9.8%)増えた。そのうち、男性は3800人(86.5%)、女性は600人(13.5%)だ。国別の内訳をみると、中国53.6%、ロシア5.6%、韓国4.8%、オーストラリア4.5%、ベトナム3.9%、アメリカ3.4%、南アフリカとインド各3.0%、フィリピン2.7%、イギリス2.2%、カナダ1.7%、日本1.2%、その他10.4%となっている。
 今年第1四半期時点で、外国人労働者は主に鉱業(1600人、36.1%)、卸売・小売業・自動車・オートバイサービス(829人、18.7%)、教育(610人、13.8%)、建設(540人、12.1%)、一次加工業(398人、9%)、運輸業・倉庫業(163人、3.7%)、管理運営・テクニカルサポート(121人、2.7%)、その他(173人、3.9%)で働いていた。(MONTSAME 4月20日)

♦ 貨物専用鉄道の設計着手を首相が指示 ♦

 オユンエルデネ首相は、「ボグドハン鉄道」プロジェクトの詳細な設計図を作成するための調査に必要な資金調達問題を短期間で解決するよう、財務大臣、道路運輸開発大臣、設計作業部会に指示した。
 プロジェクトチームは27日、ボグドハン鉄道建設プロジェクトの進捗状況について首相に報告した。鉄道貨物全体の60%を運ぶことになる新しい「ボグドハン」ルートはマンダル駅とマーニト駅を結ぶ。
 プロジェクトの完了とともに、鉄道貨物輸送はこの新しい線路を使う。首都を経由する鉄道本線の既存の区間は、国内および地域間の旅客列車の運行に使われる。
 プロジェクトチームによれば、新しい線路により列車の運行速度が上昇する。結果的に、鉄道で輸送できる貨物量が年間500万~600万トン増える。経済的観点からも、新ルートは有益だ。鉄道本線のエメールト―ハンガイ区間の急カーブの問題が解決でき、鉄道の運営コストが削減されるからだ。さらにボグドハン線は自動車用道路の混雑の軽減とウランバートル市の道路と鉄道の輸送力の拡大に寄与する。
 ボグドハン鉄道建設は2016年に国会で承認された「2016~2020年政府行動計画」と「モンゴル経済再生計画」に盛り込まれている。27日の会合では作業部会の基本活動計画と設計作業の暫定予算などが示された。オユンエルデネ首相は詳細な設計図を作るための調査を開始することの正当性を強調した。閉会直後、出席者は最短期間で調査の資金調達問題を解決する方法について検討し、それについて閣議で報告することに合意した。(MONTSAME 4月27日)

♦ 与党とモ人民革命党が合併 ♦

 4月29日、与党のモンゴル人民党とモンゴル人民革命党の合併合意書の署名式がオンラインで行われた。
 式典にはモンゴル人民党のフレルスフ党首とアマルバヤスガラン事務局長、モンゴル人民革命党のエンフバヤル党首とトゥルガ事務局長、モンゴル人民党ウランバートル市委員会スミヤバザル委員長、モンゴル人民革命党ウランバートル市委員会エルデネジャミヤン委員長が出席し、両政党の党員30万人と支持者の代表者がオンラインで参加した。
 合意書は全6章、33条からなり、モンゴルにおける民主主義と正義の定着、経済とその独立性の強化、域内および世界の先進国への変貌という目標を掲げている。
 合併の結果、モンゴル人民とモンゴル人民革命党が統一政治勢力となり、積極的な協力と設定された主要目標の達成によって、モンゴルの発展の加速化、国民の平和で幸福な生活の実現において成果を上げることができると、双方は確信している。(MONTSAME 4月30日)

♦ 国・地方行政サービスのデジタル化が本格スタート ♦

 電子国家行政サービスセンター「E-Mongolia」が首都中心部の中央郵便局庁舎内に開設された。政府広報センター「11-11」はこのセンターに統合された。その結果、サービスを受けるため必要な行政機関の情報を入手する時間等が短縮される。
 オユンエルデネ首相が開所式典に出席し、スピーチの中で首相就任から100日間の政府の活動について次のように報告した。集団免疫獲得を目的として国民へのワクチン接種を進め、ウランバートル市民の93%、地方の住民の70%がワクチンを接種した。500種類の国の行政サービスのデジタル化、モンゴルの「デジタル国家化」に係る政策を政府は積極的に推進している。
 「国は国民に対して開かれているべきだ。国の行政サービスの電子化は、官僚主義や国家機関のシステムの停滞および汚職の排除に貢献するだろう。『良い統治』(グッド・ガバナンス)にまた一歩近づくことになる。E-Mongoliaセンターは、「腐敗認識指数」のモンゴルの順位を2ケタ台に引き上げるための礎となるだろう。今後、国家機関の全サービスがこのシステムに統合され、デジタル開発省が設立される。文書管理のデジタル化は、今後3年の最も有効で重要な業績の一つとなるだろう。この目標の達成のために、政府はあらゆることで国民と連携する。これまで汚職という雑草とのみ格闘してきたが、汚職を生む土壌との、大規模でシステマチックな闘いが始まった。我々はこの闘いを、根絶まで断固としてやり通す」と首相は述べた。
 ウランバートル市では12機関113種類の行政サービスがE-Mongoliaシステムに完全移行した。(MONTSAME 5月10日)

♦ JICAの支援でモンゴルに養蜂産業クラスター ♦

 モンゴル食糧・農牧業・軽工業省(MOFALI)と国家開発庁(NDA)は、日本の国際協力機構(JICA)と農牧業の持続可能な発展を支援する「農牧業バリューチェーンマスタープラン作成」プロジェクトを推進している。
 このプロジェクトの枠内で、モンゴル商工会議所との間で「養蜂産業クラスターの創設」および「地方の農牧業生産支援パイロットプロジェクト推進」に関する連携覚書が署名された。
 養蜂産業クラスター創設にむけて、そのプロセスを管理し、最先端のはちみつ生産技術をスムーズに移転させるための指針を作成する作業チームが設置された。メンバーはMOFALI、金融規制庁、専門監察庁、モンゴル商工会議所プロジェクト・プログラム課、モンゴル商工会議所セレンゲ県支部、養蜂家協会の関係者だ。さらに、民間セクター、業界有識者、トゥブ県バツンベル郡の養蜂家らも加わった。作業チームはすでに作業に着手し、養蜂産業クラスターは2022年3月に正式に発足する。
 農牧業生産の持続可能な発展支援パイロットプロジェクトの枠内で、モンゴル商工会議所は、21県の支部を通じて、地方の農牧業生産を支援する2つのパイロットプロジェクトを実施する予定だ。生産される農牧品に応じて、地方企業1社につき最大2万ドルの資金が提供される。モンゴル商工会議所プロジェクト・プログラム課とJICAのプロジェクト専門家たちが全参加者をサポートする。(MONTSAME 5月13日)

▏対岸ビジネス情報


♦ 20年国産 リンゴ輸出3万トン超 4年連続、台湾・香港好調(東奥日報 4月29日)

♦ 留学生の起業支援「ビザ」全国初認定 福岡市、香港出身英国人に(西日本新聞 5月1日)
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/732183/
 
♦ 風土や職人の息吹、動画で伝える ジェトロ山形、バイヤー向けに制作(山形新聞 5月2日)
https://www.yamagata-np.jp/news/202105/02/kj_2021050200043.php

♦ 最大消費地へコメ輸出本腰 対中国、現地企業と提携(新潟日報 5月7日)
https://www.niigata-nippo.co.jp/world/economics/20210506614731.html

♦ 香港への輸出好調 宮城県産サツマイモ 東経連推進 11月から月20トンに拡大(河北新報 5月7日)

♦ 上海の胃袋 道産品でつかむ 販売店開業 道内企業の試販の場にも(北海道新聞 5月7日)

♦ 来訪者半減1万3485人 20年度富山市まちなか観光案内所(北海道新聞 5月8日)

♦ 仙台空港 旅客5.76倍 GW19年比では67.9%減(河北新報 5月8日)

♦ 外国人労働者、最多更新 昨年10月2402人、全国では最少(秋田魁新報 5月11日)
https://www.sakigake.jp/news/article/20210511AK0015/
 
♦ 道産鶏卵、香港に輸出 ホクリヨウ、中国本土も視野(北海道新聞 5月11日)

♦ 県内3月貿易概況 輸出3カ月ぶり増(新潟日報 5月12日)

♦ 台湾に自然や歴史紹介 氷見市がリモート授業開始 高雄の大学と結ぶ(北日本新聞 5月12日)

♦ 敦賀港、釜山に新航路 23日就航 国際コンテナ船 週2便へ回復(福井新聞 5月18日)



▍エリナ・レター

♦李春霞
『配達「閃送」需要増』(新潟日報 5月17日)

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▍ERINAインフォメーション

♦♦7月10日(土)に「国際人材フェア・にいがた2021」を開催します。
  留学生の採用を考える県内企業の出展申込み受け付け中です。

詳しくは>> https://www.erina.or.jp/activities/business/job_fair/job_fair2022/

♦♦新潟県内高校・中学を対象に「ERINA出前授業」の申し込みを受け付けています。

詳しくは>> https://www.erina.or.jp/about/demae/

♦♦ERINA北東アジア研究叢書10 穆尭チェン、徐一睿、岡本信広編著『「一帯一路」経済政策論―プラットフォームとしての実像を読み解く』(日本評論社)を発刊しました。

詳しくは>> https://www.erina.or.jp/publications/series/

♦♦英文学術誌『The Northeast Asian Economic Review』編集委員会では投稿論文を募集しています。

詳しくは>> https://www.erina.or.jp/publications/naer/

♦♦『ERINA REPORT (PLUS)』編集委員会では投稿をお待ちしています。

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